子供の頃感じていた世界に何があった?
例えば、草花の声でしょ。
それから、動物の言葉、木々の囁き。
あとね、太陽や青空の微笑みに星や月の眼差し。
あの頃はいつも自然や宇宙が優しく語りかけてくれていた。
あの頃はいつもその声を聞き取る事が出来ていたはずなのに。
いつからだろう?
その声を聞き取れなくなったんだ。
風景の一部としか感じられなくなったんだ。
その存在に目を向けることすらなかったんだ。
あの声を聞き取れなくなった私は一体、
何を聞き取って生きてきたのだろう?
何を感じて生きてきたのだろう?
単に余裕がないからなのかな?
ううん、違うよ。
余裕なんかよりももっと大切な何かをなくしちゃったんだよ。
